ゴミ屋敷を放置するリスク
ゴミ屋敷の放置には様々なリスクがあります。所有者にリスクがあることはもちろん、ゴミ屋敷に関しては、匂いや害虫など近隣へのリスクも大きいことが特徴です。
考えられる近隣トラブルと所有者が把握しておかなくてはいけないリスクについて解説します。
|近隣トラブルになる
家の敷地や室内にゴミが山積している「ゴミ屋敷」は、放置していると以下のような問題を引き起こし、近隣住民とのトラブルにつながる可能性が高いです。
・ゴミが通行の邪魔をする
・ゴミから悪臭や害虫が発生する
・ゴミの山積等で、事故につながる危険性
・野生動物が住みつくことによる、悪臭や騒音の懸念
・火災延焼・放火のリスクが高まる
・家が傷んで破損や倒壊の危険性が高くなる
このような場合、近隣の家の資産価値まで下げてしまう可能性や人の命にも関わる最悪の事態を招いてしまう可能性もあり、損害賠償を支払うことになったり、行政指導の対象になるなどのリスクがあります。
|行政代執行の対象になる
現状、ゴミ屋敷を取り締まることができる法律はまだありません。しかし、ゴミ屋敷に関する行政指導を行える条例が自治体ごとに制定されています。そのため、ゴミ屋敷によって近隣住民に何らかの被害が出ている場合には、自治体からゴミを片付けるように注意勧告を受けることになります。
それでも改善命令に従わない場合には、家の所有者に代わって、行政が強制的に措置を行う最終手段(行政代執行)の対象となります。行政代執行とは、国や地方公共団体などの行政機関が、命令や義務を果たさない所有者の代わりに、ゴミや建物の撤去、排除などを強制的に行うことです。
この場合、代執行措置で発生する解体費などの費用は、ゴミ屋敷の所有者に請求されることになります。実際に、ゴミが強制撤去された事例もありますので、このような事態を避けるためにも、ゴミ屋敷は放置せず早めの対処を行いましょう。
ゴミ屋敷売却のポイント
ゴミ屋敷だからといって、売却が出来ないということはありません。
工夫や対策次第で十分に売却が見込めるケースも多いので、この章では売却を成功させるためのポイントを6つご紹介いたします。
|ゴミを撤去する
ゴミ屋敷を売却するための第一歩は、敷地内や建物内にある全てのゴミや不用品を撤去・処分することです。最低でも引き渡し時までには完了する必要があります。ゴミ屋敷のまま売りに出しても、家の状態や構造の劣化を確認しづらく、買いたいという人が現れる可能性はゼロに近いと言っていいでしょう。
不用な家財などは、自治体の粗大ゴミ収集所に持ち込むなどして処分する必要がありますが、ゴミの種類や大きさにより金額がかかることはもちろん、処分できる日も指定されている場合がありますので事前に確認が必要です。
費用は掛かりますが、清掃業者などに処分を依頼すると労力や手間が省けるので、短時間で効率的に進むでしょう。
|ハウスクリーニングをする
ゴミを長く放置していた場合、室内の床や壁が変色していたり、ゴミの臭いが染みついていたりなど、建物自体に影響が出ていることがほとんどです。そのようなケースでは、自力で清掃するにも限界がありますので、プロのハウスクリーニング(特殊清掃)業者に依頼して、徹底的に清掃を行うのが賢明でしょう。
業者に依頼すれば、床や壁など汚れの拭き取りや水回りの清掃、キッチン回りの油汚れ除去、異臭除去、害虫・害獣駆除など、自力では落とせないような汚れも落とすことができます。特に、キッチンやトイレ、浴室などの水回りはしっかりとクリーニングすることが重要です。
|内外装をリフォームする
ハウスクリーニングや内外装のリフォームを行うことで、ゴミ屋敷だった家でも買い手が見つかる可能性があります。壊れたり傷んだりしている箇所の補修工事などリフォームを検討してみましょう。
ただし、ハウスクリーニングやリフォームをしたからといって、必ず売却できるというわけではありません。特に、リフォームにはそれなりの費用がかかりますので、自分で判断せず、売却の仲介を依頼する不動産会社に相談してから行うことが重要です。
|建物を解体する
築30年以上の古い一戸建てや家のダメージが深刻な物件の場合は、家を解体して土地だけで販売する方が売れやすくなる可能性があります。
この場合、家の解体業者にはゴミの処分をしてもらうことができません。そのため、清掃業者などでのゴミ撤去が済んでから、解体という流れになります。さらに、家を解体して更地にすることで、軽減措置が適用されなくなるため、固定資産税が高くなるというデメリットもあります。解体費用もふまえながら、不動産会社に相談した上で判断しましょう。
|買取ってもらう
ゴミの処分が面倒な場合やすぐに売却したい場合には、不動産会社に買い取ってもらう「買取」という方法があります。ゴミがある状態のままでも買い取ってくれる不動産会社もありますので、労力や手間を省きたい方にはおすすめです。
売却が難しい家でも、買取条件や価格の折り合いが付けばすぐに不動産会社へ売却できるのもメリットと言えるでしょう。しかしその反面、市場価格よりも安くなる傾向にあることや、条件によっては買取を断られるケースもありますので、まずは何社か探してみましょう。
その際に注意しておきたいのが、「ゴミ屋敷は事故物件ではない」ということです。ゴミをしっかり処分し、清掃やリフォームを行うことで、相場に近い価格で売却できるケースもあります。ゴミ屋敷ということを理由に安すぎる価格で買い取ろうとする不動産会社も中には存在しますので注意が必要です。
|適正な価格設定をする
ゴミ屋敷でもきちんと片付けを行い、清掃やリフォームをすることで、相場程度の価格で売れる可能性も十分にあります。ゴミ屋敷だからといって、売却価格で妥協しすぎる必要はありません。通常の物件に比べると、ゴミの処分やリフォームなどに費用はかかりますが、物件の市場価値を把握し、適正な価格設定を行いましょう。
また、少しでも高く売りたいと考えることも当然の心理です。しかし、あまりにも相場からかけ離れた高い価格設定だとなかなか買い手が見つからないという事態に陥ります。
売却する家の状態や価値を知り、相場に合った価格、もしくは相場より手頃な価格で設定すると買い手が見つかりやすくなるケースもありますので、信頼できる不動産会社と相談しながら売却を進めましょう。
ゴミ屋敷の売却にかかる費用
ゴミ屋敷を売却するポイントについてご紹介しましたが、売却するための準備としてゴミの撤去やクリーニングなどが必要です。この章では、それぞれにかかる費用の目安をご紹介します。中には、多額の費用がかかるものもありますので、損をしないためにも、ぜひご参照ください。
|ゴミの撤去費用
ゴミの撤去を業者に依頼する場合は、一般廃棄物処理業の許可を受けている業者に依頼するのが一般的です。一般産業物処理業者とは、家庭などから出される一般廃棄物の収集運搬や処分を行う業者です。
ゴミの撤去費用は、ゴミの量や家の種類(戸建て、マンション、アパート)、広さなどによって異なりますが、おおよその目安は以下の通りです。費用の内訳は、車両費や人件費、処分費などに分けられます。
・一戸建て(約30〜40坪):30万~100万円程度
・マンションやアパート(1K~2LDK程度):10万~50万円程度
ゴミの量が多い場合や、大型の家具や電化製品の処分が含まれる場合、費用がさらに増加することがあります。また、ゴミの種類が特殊な場合(有害物質、産業廃棄物など)は、処分費用が高くなることがあります。とはいえ、実際にゴミの量などを見てもらわないと正確な金額はわからないため、何社かゴミ処理業者に見積もりを依頼してみましょう。
|ハウスクリーニングにかかる費用
プロによるハウスクリーニング費用は、物件の面積やクリーニングが必要な汚れの量・範囲によって異なります。おおよその目安は以下の通りです。
・一戸建て(約30〜40坪):8万~20万円程度
・マンションやアパート(1K~2LDK程度):3万~10万円程度
汚れがひどいほど料金が割増になる傾向があり、床が腐食しているなどで安全に作業ができないと判断された場合には、クリーニング自体を断られる可能性もあります。
部分的なクリーニングも可能で、水回り(キッチン、浴室、トイレ、洗面)のみであれば2〜5万円程度が相場です。料金は業者によってバラつきがありますので、複数の業者に見積もりを依頼するのが良いでしょう。
|内装のリフォーム費用
内装リフォームの費用は、リフォームの内容や範囲によって大きく異なります。
壁紙の張り替えや設備の交換など軽微なリフォームであれば、おおよその目安は以下の通りです。ただし、リフォームしなくても売却できる可能性がありますので、事前に必ず不動産会社へ相談してから判断するようにしましょう。
・一戸建て(約30〜40坪 全体):200万~500万円程度
・マンションやアパート(1K~2LDK程度 全体):100万~200万円程度
部分的なリフォームも可能で、例えば壁紙の張替え(1部屋あたり3万~8万円)、フローリングの張替え(1部屋あたり5万~20万円)、水回りの設備交換(キッチン、浴室、トイレのいずれかで20万~100万円)など、範囲を限定することで費用を抑えることができます。
|解体費用
家の解体費用は、建物の構造や広さによって異なります。当然、木造よりも鉄筋コンクリート造の方が廃棄しづらい建材になりますので、費用は高くなります。
こちらも、おおよその目安を以下に記載しておりますので参考にしてください。
・木造住宅(1坪あたり):3万~5万円程度
・鉄骨造住宅(1坪あたり):4万~6万円程度
・鉄筋コンクリート造(RC造、1坪あたり):5万~7万円程度
あくまで目安となりますので、解体を検討される際は解体業者への見積もり依頼が必要です。構造が複雑だったり、周囲の環境(交通量が多い場所、狭い敷地など)によっては追加費用が発生することもあります。













