
住宅ローンやアパートローンの金利が上がってきたけど、賃貸経営は大丈夫だろうか?
最近、このような不安を感じている賃貸オーナー様も多いのではないでしょうか。
特に注意したいのが、サブリース(一括借上げ)で賃貸経営をされているケースです。
先日、弊社にもサブリース契約中のオーナー様からご相談がありました。
その内容は、「借入金利は上がって返済負担が増えている。一方で、家賃は下げられることがある。さらに管理手数料のほかにも修繕保険など引かれるものが多く、修理代も高い。これでは手元にお金が残らない」というものでした。
これは今後、決して珍しい悩みではなくなると考えています。
今回は、金利上昇が賃貸経営に与える影響と、サブリース契約で特に注意しておきたいポイントについて解説します。
金利上昇で賃貸経営に何が起こる?
アパート・マンション経営では、多くのオーナー様が金融機関から融資を受けています。
そのため、変動金利などで借入をしている場合、金利が上昇すれば当然ながら返済負担が増える可能性があります。
たとえば、
・毎月の家賃収入は大きく変わらない
・ローン返済額は増える
・固定資産税や保険料がかかる
・建物の築年数とともに修繕費が増える
となれば、同じ家賃収入でもオーナー様の手残りは少なくなります。
賃貸経営では「満室だから安心」ではありません。
これからは特に、
家賃収入 − ローン返済 − 管理費 − 修繕費 − その他経費
で最終的にいくら残っているのかを見ることが重要になります。
サブリースなら金利上昇時も安心?
「サブリースだから空室になっても家賃が入るので安心」
そう考えているオーナー様も多いと思います。
確かにサブリースには、空室状況にかかわらず契約に基づいた賃料を受け取れるなど、大きなメリットがあります。
一方で、ここで注意したいことがあります。
オーナー様のローン返済額と、サブリース会社から支払われる賃料は連動していないということです。
金利が上昇してオーナー様の返済負担が増えたからといって、サブリース賃料が増えるわけではありません。
むしろ契約内容や市場賃料、建物の状況などによっては、借上げ賃料の見直し・減額が行われる可能性があります。
つまり、
「ローン返済は増えるのに、受け取る家賃は下がる」
という状況になる可能性があるのです。
金利は上がる。でも家賃は下がるというオーナー様の悩み
先日ご相談いただいたオーナー様も、まさにこの点に悩まれていました。
金利上昇によって借入の負担は増えていく。
しかし、サブリースだからといって借上げ賃料が保証され続けるわけではなく、賃料の見直しによって収入が減少する可能性もある。
さらに、
・管理に関する費用
・大規模修繕に備えるための費用
・各種サービス・保険等の費用
・建物や設備の修理費
などが発生します。
一つひとつを見ると必要な費用だったとしても、すべて合計すると、
「思っていた以上に手元に残っていない」というケースがあります。
だからこそ重要なのは、サブリースそのものが良い・悪いと判断することではありません。
現在支払っている費用に対して、それだけのメリットを受けられているのかを定期的に確認することです。
サブリースで見落としやすい【修繕費】
もう一つ、今回のご相談でオーナー様が強く不満を感じられていたのが修理代でした。
建物は築年数が経過すれば、当然修繕が増えていきます。
給湯器、エアコン、水栓、換気扇、インターホン、外壁、防水、共用灯など、10年、15年、20年と経過するにつれて交換・修繕する設備も増えていきます。
問題は、
「その修繕価格が本当に適正なのか?」
ということです。
管理会社から見積書が届き、「この金額で修理が必要です」と言われると、そのまま承認しているオーナー様も少なくありません。
しかし、長期的な賃貸経営を考えるのであれば、一定金額以上の工事については相場を確認したり、必要に応じて別の業者から見積もりを取ったりすることも大切です。
数千円、数万円の違いでも、10年・20年という長期間で考えれば大きな差になります。
サブリースの本当のコストは「差し引かれている金額」だけではない
サブリースを検討するとき、どうしても「家賃保証」という言葉に目が行きます。
しかし、賃貸経営で本当に見るべきなのは最終的なキャッシュフローです。
たとえば一般管理へ変更することで家賃収入が増えたとしても、空室期間が長くなれば意味がありません。
反対に、サブリースによって安定した収入を得られていても、借上げ賃料との差額や各種費用、修繕費などを含めた結果、手残りが少なくなっているのであれば、一度契約内容を確認する価値があります。
重要なのは、
「サブリースか一般管理か」ではなく、「どちらが自分の物件に合っているか」
という視点です。
金利上昇時代だからこそ「年間手残り」を比較する
今後、賃貸オーナー様におすすめしたいのが、年間収支の見える化です。
最低でも次の項目を確認してみてください。
- 年間の家賃収入
- 年間のローン返済額
- 管理・サブリースに関係する費用
- 修繕・メンテナンス費
- 固定資産税・保険など
- 空室・退去に伴う費用
- 最終的に手元に残った金額
そして可能であれば、
「現在のサブリースを継続した場合」
と
「一般管理へ変更した場合」
の2パターンで年間収支を比較してみることをおすすめします。
一般管理に変更すれば必ず収益が改善するわけではありません
ここは非常に重要です。
サブリースから一般管理へ変更すれば、必ず収益が改善するわけではありません。
一般管理では空室リスクをオーナー様自身が負うため、
・入居需要が弱いエリア
・空室期間が長い物件
・家賃設定が市場と合っていない物件
・築年数や設備面で競争力が低下している物件
などでは、サブリースを継続するメリットが大きい場合もあります。
だからこそ、感覚だけで判断するのではなく、
現在の入居率・実際の募集賃料・周辺相場・修繕費・管理費を含めて比較すること
が大切です。
金利上昇時代は「売上」より「手残り」を守る賃貸経営へ
これまで低金利が続いていた時代には、多少経費が高くても大きな問題にならなかった物件もあるでしょう。
しかし金利が上昇すると、状況は変わります。
ローン返済額が増え、築年数とともに修繕費も増えていく。
その一方で、家賃を簡単に値上げできるとは限りません。
だからこそ今後の賃貸経営では、
「いくら家賃が入っているか」以上に、「最終的にいくら残っているか」
が重要になります。
特にサブリース契約中のオーナー様は、
「サブリースだから安心」
で終わらせず、一度現在の収支を数字で確認してみてはいかがでしょうか。
サブリース契約中の方へ|一度「収支比較」をしてみませんか?
弊社では、サブリース契約を否定することを目的としているわけではありません。
物件や立地、オーナー様の考え方によっては、サブリースが適している場合もあります。
一方、
「金利が上がって手残りが減ってきた」
「借上げ賃料を下げられた」
「毎月いろいろな費用が引かれている」
「修繕費が高いように感じる」
「一般管理にした場合の収支を一度知りたい」
という方は、一度現在の契約内容と年間収支を整理してみることをおすすめします。
サブリースを継続した場合と一般管理へ変更した場合で、年間の手残りがどの程度変わる可能性があるのかを比較してから判断しても遅くありません。
診断したからといって、管理会社を変更する必要はありません。
まずは現在の賃貸経営の「本当の手残り」を把握すること。
金利が上昇している今だからこそ、それが大切な賃貸経営対策ではないでしょうか。












